慢性糸球体腎炎

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兵薬界 No.561,2002年10月号
2002年 10月 01日
  腎疾患は部位により、糸球体疾患、尿細管間質疾患、血管病変に分かれる。更に経過から、急性、急速進行性、慢性に分かれる。その病変が腎臓にのみ生じるものか全身症状の一部分症状として生じるかによって、一次性と二次性に分けることが出来る。このうち、慢性に進行する一次性糸球体疾患を、慢性糸球体腎炎と定義する。

  WHO の臨床分類では、「タンパク尿・血尿・高血圧を示しながら徐々に腎不全に進行する症候群」が慢性腎炎症候群であるが、一般的には、高血圧・浮腫などの臨床症状もなく腎機白瘟コもない「無症候性血尿・タンパク尿症候群」も含めて考えることが多い。

  経過については、急性腎炎が日の単位で腎機狽ェ低下、急速進行性腎炎では週・月の単位で低下するのに対し、慢性腎炎では数年・数諸Nの単位で進行する。タンパク尿が高度になりネフローゼ症候群を呈するものもある。

  無症候性血尿・タンパク尿症候群では、肉眼的・顕微鏡的血尿が潜行性または突然生じるが、タンパク尿は陰性か微量。高血圧・浮腫は示さない。これは腎機柏ウ常の非進行例ともいえる。潜在型については、病期の早期であるという見方もある。

  慢性腎炎症候群は、タンパク尿・血尿・高血圧を示しながら徐々に腎不全に陥る進行例であり、組織は一般に糸球体病変軽度のものから高度のものまで様々である。

  ネフローゼ症候群でない限り、臨床上昇に乏しい。血尿とタンパク尿・高血圧が偶然指摘されることが発見の契機となることが多い。一般にタンパク尿が病勢の指標となることが多く、ネフローゼ症候群に至らないタンパク尿であっても、浮腫を初発症状とする例も少なくない。血圧上昇も進行期病勢を反映することが多い。

  血尿単独例では、泌尿器科的疾患との鑑別が問題となるが、一般に肉眼的血尿を呈する泌尿器科的疾患である場合が多い。タンパク尿も、腎前性、糸球体性、尿細管性に分けられる。激しい運動や発熱時などでは一過性にタンパク尿が認められることがあるので経過をみる。また、タンパク尿が安静臥床時には認められず、起立時にのみ認められる場合は、起立性タンパク尿であり、一般に洛繧ヘよいが、糸球体障害が潜在する可柏ォもあるので、経過観察が望ましい。

  一部を除けば、慢性腎炎の病因は不明であるが、発症にはなんらかの免疫応答の異常が関与する。

文献・日野ほか・からだの科学 220(2001)

文責:大平 洋

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